田舎に移住したいなら目的を明確にすることが欠かせません。漠然と地方暮らしに憧れて決行すると、暮らし始めてから後悔してしまう可能性があります。都心部の生活が仕事中心で激務の場合、それから逃れる手段になると思われがちです。しかし、実際はそのような安直な考えが通用するほど楽な場所ではありません。

たとえば、都心部と比べて人付き合いが濃密である点が挙げられます。新しい人が引越してくるケースは少なく、基本的にコミュニティは昔ながらの顔見知りばかりです。長い年月をかけて築いてきた人間関係が存在し、それを無視して暮らすことは難しいです。よって、都心部でのドライな対応に慣れている場合、かなりのギャップを感じることが予想されます。

ただし、これはデメリットというわけではなく、そこに馴染めるならメリットとして作用します。困りごとがあるときに助け合えるなど、仲間として一体感を持って暮らしけるというわけです。もちろん頼るだけでなく、自分がサポートする側に回ることもあるでしょう。田舎に移住すると、周囲が高齢者で占められているというのはよくある話です。

若いという理由で町内会の役職を任されるケースも見受けられます。しかし、このような出来事も田舎への移住の醍醐味と考えられます。温かい人たちの触れ合いによって紡ぎ出される幸福な時間もあるからです。漠然と生きていた自分に別れを告げ、地に足がついた実直な生活を始める良い機会になります。